6.12.2014

【京都芸術センター×京都市立芸術大学 AIR 2014】アラヤーの秘密基地スタジオと、「ホームレス」男性の丁寧な暮らし

アラヤーさんは京都市内の特別養護老人ホームや保健所でのインタビュー・映像撮影を進めるかたわら、滞在制作の拠点である京都芸術センターでも、こそこそと何かをたくらみ、作り始めました。門から正面入り口まで続く通路脇の、木々が生い茂る細長い庭に、いつのまにやら、3つの蚊帳で覆われた秘密基地のようなスペースが出現していました。徐々にテーブルや椅子、カーテンなどが運びこまれます。
チェンマイの自宅では15匹の犬と一緒に暮らしているというアラヤーさん。一日の多くの時間を広い庭で過ごしてきたので、室内よりも外が大好き。用意された制作室ではなく、この秘密基地のような屋外の仮設スタジオを、京都での滞在制作の拠点としたいとのこと。天気の良いある日、3人の男性と、3人の女性をそれぞれ誘い入れ、「昔と今の比較」や「最近の政治情勢」、「今日の服装」「初恋」などさまざまな話題で井戸端会議をしてもらい、そのようすを撮影しました。
この蚊帳でできた仮説スタジオが、「なんとなくホームレスの住まいを連想する」と指摘されて、鴨川沿いのホームレスのおじさんに会いに行くことにしました。20年以上ずっと鴨川沿いで暮らしているというTさんは、土手に手作りの可愛い木製階段をしつらえ、植木鉢にきゅうりやトマト、なすび、ピーマン、スイカを育てるという丁寧で健康的な暮らしぶりを、快く見せてくれました。洪水が来るたびに植木鉢や物が流されてしまうけれど、また同じように野菜を植えて、家を整えるという繰り返しを実践してきたというTさん。アラヤーさんは何度も共感を覚えて、Tさんの言葉をノートに書き留めていました。

5.26.2014

【京都芸術センター×京都市立芸術大学 AIR 2014】アラヤ―のリサーチ活動開始!

京都に到着して、さっそく次の日から、アラヤーさんはリサーチをどんどん進めています。今回の滞在では、普段なかなか見えてこない、捨て犬や迷子犬のような「飼い主のいない犬」と「高齢者」の記憶に着目したいとのこと。京都市内のさまざまな場所へ出かけて、観察・インタビューを行っています。
 まずは、京都市学校歴史博物館で、戦前戦中の小学校の記録写真や映像を見て、高齢者の方々が小学生だった頃に思いを馳せました。たまたま博物館に遊びに来ていた方に、昔の思い出話を聞かせていただきました。そして、お寺に併設された特別養護老人ホームに移動し、職員さんに案内してもらいながら入居者たちとのおしゃべりを楽しみました。

 次は、京都府動物愛護管理センターと京都市家庭動物相談所を訪問。施設の取り組みについて説明を受けた後、飼い主が放棄したり、迷子で保護された犬たちと対面。犬が大好きで、チェンマイの自宅で15匹の犬たちと暮らしているというアラヤーさんは、満面の笑顔になりながら、一匹一匹を優しくなでて、ポートレートを撮影。そして毛を採取していきます。どうやら犬の毛を、次年度の展覧会で使いたいもよう。これまでの暮らし方と結びつけて、楽しみながら、着々とリサーチを進めています。




5.22.2014

【京都芸術センター×京都市立芸術大学 AIR 2014】アラヤ―・ラートチャムルーンスック氏を招聘


 京都芸術センターと京都市立芸術大学による連携のもと、5月16日から6月15日までの約1カ月間、アラヤー・ラートチャムルンスックを招聘します。
 アラヤ―は、タイの古都チェンマイを拠点とする映像・写真作家。東南アジアを代表するアーティストとして、世界各地の芸術祭や企画展に参加してきました。個人的な日常体験に動機づけられた作品は、突飛なシーンを実現しており、女性、死、個人のアイデンティティといった多様で深遠な解釈を誘います。代表作《授業》(2005)では、横たわる身元不明の遺体に対し、死について講義する様子を撮影。《ふたつの惑星》(2008)では、近所の村人たちを集めて、西欧の複製された名画を前に、戸外で自由に会話させた様子を記録しました。



 今回の滞在中は主にリサーチに集中します。614日にはアーティスト・トークで、その様子をプレゼンします。同じくタイ出身の映画監督であるアピチャッポン・ウィーラセタクンとの対談形式になる予定です。彼女独自のリサーチの手法や主題、過程、そして提示の仕方を共有しながら、京都を再発見できるのが楽しみです。

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「京都芸術センター×京都市立芸術大学
アーティスト・イン・レジデンス プログラム2014」

招聘作家:アラヤ―・ラートチャムルンスック滞在期間:
2014年517日(土)~615日(日) 

[関連企画]

<1>「アラヤー・ラートチャムルーンスック特別授業」
日時:2014年5月21日(水)
会場:京都市立芸術大学 大学会館交流室
講師:アラヤー・ラートチャムルーンスック
      小山田徹(京都市立芸術大学美術研究科彫刻専攻 教授)
料金:無料(事前申込不要)
問合せ:京都市立芸術大学(075-334-2220)


<2>アーティスト・トーク
「対談―アラヤー・ラートチャムルンスック×アピチャッポン・ウィーラセタクン」 
日時:2014年614日(土)13:0015:00
会場:フリースペース
対談者:アラヤー・ラートチャムルーンスック(映像作家)
    アピチャッポン・ウィーラセタクン(映画監督)
進行:橋本梓(国立国際美術館研究員)
料金:無料(事前申込不要)

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アラヤー・ラートチャムルーンスック(Araya Rasdjarmrearnsook)
チェンマイ在住の映像・写真作家。バンコクのシラパコーン大学グラフィックアーツ専攻修士課程修了。「ドクメンタ13」(2012)や「シドニー・ビエンナーレ」(2010)、『アジアの亡霊』(サンフランシスコアジア美術館、2012)など、世界各地の芸術祭や企画展に出品。日本での展覧会は『風穴:もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから』(国立国際美術館、大阪、2011)、『熱々!東南アジアの現代美術』(横浜美術館、神奈川、2013)など。

4.01.2013

Artist in Residence Program 2014 for Performing Arts

京都芸術センターでは、異なる文化に触れることで新しい芸術表現を生み出そうとする新進のアーティストや芸術分野の研究者の滞在創作活動を支援するアーティスト・イン・レジデンスプログラムを実施しています。

募集要項と応募用紙(pdf)をダウンロードし、京都芸術センター「アーティスト・イン・レジデンス プログラム 2014」係まで郵送または持参してください。

詳細はこちら



Kyoto Art Center’s Artist-in-Residence Program offers support to emerging artists and art researchers who wish to pursue creative activities in Kyoto. We call for applications from the artists/researchers in performing arts and visual arts alternately. In 2014, the program is open to the artists and researchers working in performing arts.

Please download the application form and the flyer (pdf).


Please see details here.

1.19.2013

Artist-in-Residence Program 2014 for Performing Arts

京都芸術センターでは、異なる文化に触れることで新しい芸術表現を生み出そうとする新進又は若手のアーティストや芸術分野の研究者の滞在創作活動を支援するアーティスト・イン・レジデンスプログラムを実施しています。
本プログラムでは、パフォーミング・アーツとビジュアル・アーツの分野から参加者を隔年で募集します。2013年度のビジュアル・アーツ部門の募集は終了いたしました。2014年度はパフォーミング・アーツ分野で募集を行う予定です。募集に関する詳細は2013年4月頃に本ウェブサイトにて発表します。

Kyoto Art Center provides Artist-in-Residence programs for emerging artists and art researchers who wish to cultivate artistic creativity in Kyoto.
In our program there are two different categories, one is for performing artists, and the other is for visual artists. These two categories of the program will be held alternatively. We have closed accepting applications of the program 2013 for visual arts. The detailed information for the program 2014 for performing arts will be released in April 2013 on the website.



【京都芸術センター×京都市立芸術大学/オリバー・ヘリング】オリバー帰国しました

約二ヵ月半の滞在を終え、オリバーは無事にアメリカに帰国しました。
制作に関わって頂いたみなさん、ありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。

タスクパーティーの後は、オリバーを囲んでのパーティーを行いました。
たくさんの方にお越しいただき、オリバーも京都でこれだけ多くの人と関わり、制作ができたことはとても嬉しいと話していました。

今後も続いていく関係が築けたのではないかと思います。

これで2012年度の京都芸術センターのアーティスト・イン・レジデンス事業はすべて終了しました。
今年度は3組5名のアーティストが京都芸術センターを拠点に滞在制作を行いました。ダンス、パフォーマンス、美術、と活動するジャンルもさまざま、バックグラウンドも異なる彼らはそれぞれの視点から京都という街を見つめ、制作を行いました。

今年度のレジデンス事業については報告書にまとめる予定です。

11.18.2012

キョウト タスク パーティー始まります!

約2ヶ月の間滞在制作を行ってきたオリバーですが、本日が最終日!
本日キョウト タスク パーティーを開催します。
いつの間にか夢中になる参加型アートイベント、タスクパーティー。
大人もこどもも楽しめます。ぜひみなさんお越しください。

タスクパーティーのルール
①「タスク」をひく。
②タスクを周りの人/ものを使って実行する。
③新たにタスクを書きいれる。

キョウトタスクパーティー
日時:11月18日(日)13:00-18:00
会場:京都芸術センター フリースペース
料金無料/申込不要/入退場自由